ゲストとして招かれたい!シンメトリーな切妻屋根のビーチハウス「Barwon House」

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オーストラリアの南東に位置するメルボルンから、車で一時間ほど行った海沿いにあるバーウォンヘッズにデザイン事務所Auhaus Architecture(オーハウス・アーキテクチャー)がある。オーハウスはベンジャミン・スティッバードとケイト・フィッズパトリックが始めたデザイン事務所だ。
彼らは、住宅の新築、リフォームのみならず、内装、照明、建築金物のデザインもしている。彼らは実際に建築現場へ行き、オーナーと交流する。そこから得た情報から、本質的なものを捉えてイメージを膨らませて設計に仕上げていくという。

一度任されると、スケッチから完了まですべてに関わっていくという、このデザイン事務所が手がけたビーチハウス「Barwon House」をご紹介しよう。

「Barwon House」プロジェクトはビクトリア州のバーウォンヘッズにあった下見板の海沿いの小屋を大規模に改装したものだ。新しく生まれ変わったビーチハウスは住まいと同時に遠くに住む家族のための休日の家として設計された。

改築の工程は、まずメインの小屋を生まれ変わらせた後、木製のデッキで連結させた新しいゲスト用の離れを追加した。改築には既存の骨組みである木造部分を保持しつつ、状況に応じて再調整し、基礎には軽量なパイン材が採用された。必要なところには新しい木材を骨組みとして追加しながら、ティーツリーを囲むように二つの棟を配置した。

切妻屋根のシンメトリーな美しい棟が二つ並ぶ「Barwon House」。母屋は半分木目で半分が白く塗装され、ゲスト用の離れは半分木目で半分が黒く塗装されている。二つの棟の外壁がコントラストとなって印象的だ。古代樹でもあるティーツリーは、二つの棟の間で細い身体をねじり、くねらせ、オブジェとしても存在感を発揮している。

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切妻屋根の内部には聖堂のような開放的な空間がある。白壁に反射する光が天井の高さを際立たせ、部屋を実際の床面積よりも広く見せている。フローリングには、木目に動きがあって自然な雰囲気を強調する、リサイクル品のブラックバットの木材が採用された。

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アイランド型キッチンは開放感のあるリビングとキッチンがつながっている空間の中心的な機能として佇んでいる。アイランド型キッチンの木材はナッツのような色合いと樹液のラインの風合いの強いフトモモ科のストリンジーバーク材が採用されていて、木材のトーンと風合いをそのまま生かすために、シンク部分は油脂加工されている。
予算が限られていたため、リーズナブルな合板をバランス良く使用したことで、結果的により温かみと風合いが出た。

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もともとあったティーツリーや原生植物の周りを新しくデッキで囲むことによって、自然景観を建築にうまく取り込むことができた。
オーナーのベリルは言う。「もともとここにあった木々や原生植物の周りにまるで彫刻のようにデッキや階段を設えてくれて、すべてがマッチングして最高だよ」

そこにある自然の景観を生かす建築がオーナーにも喜ばれたようだ。環境と調和された美しいビーチハウス。是非こんな家でひと夏を過ごしたいものだ。

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Via:
homeadore.com
auhaus.com.au
makeitwood.org
ja.wikipedia.org
what-myhome.net